MIRU2013-宮谷

中山研究室の修士一年の宮谷です.引き続きMIRU2013について書かせていただきます.
本学会ですが我らが中山先生もスポットライトセッションとインタラクティブセッションで講演をされていました.

僕自身,一度しか学会に行ったことがありませんが,MIRUはポスター発表が中心で,特に発表者との距離が近いという印象を受けました.オーラルセッションでの発表も質問はその後のポスターセッションで直接行うという形式で,時間も効率良く使えるので良い方式だと思いました.
僕も何件か気になる研究があったためそのブースへ行って納得いくまで質問ができて大変満足しました.

とはいえ,まだこの分野の知識不足で理解できない部分も多々ありましたが,概要だけでも興味深い内容があったので一部を紹介したいと思います.

●画像配色からの楽曲生成に関する研究
根本彩恵,斉藤康之(木更津高専)
画像に合った音楽を作成するという研究.今回の学会で唯一音楽絡みの研究なので始まる前から楽しみにしていました.
内容としては,画像の色の特徴から画像にあった印象語を選びます.その印象語を基に調性やコードを決定して自動で作曲を行うというものでした.結果として得られた曲も聞かせてもらいました.
最終的な出力が音楽であり,それが画像に合っているかどうかも人の受け取り方次第なのでなかなか評価は難しいと思いましたが,ちゃんと音楽として出力されるまで完成されていたので驚きました.コード進行やメロディは決めうちの部分も多々あったのでその部分をさらに深めていけたら面白いと思いました.

●複数の手書き図形を一括変換する図形認識技術
高橋梓帆美,中洲俊信,山地雄土,柴田智行,登内洋次郎,井本和範,山内康晋,三原功雄(東芝)
手書きの文字だけでなく,丸で囲ったり矢印でつなげたりという部分まで読み取り,自動的にその情報をデータ化してくれるというものでした.パワーポイントの発表資料など企業による研究というだけあって実用性のある研究だと感じました.これはデモを行うセッションにあったため実演の動画なども見せてもらいました.手書きということで個人差などが大きく外乱による影響が大きそうでしたが,精度もそこそこで誤認識の対応までシステムに組んであったので完成度が高いと思いました.

●口唇の動き特徴を用いたリップシンク個人認証システムに関する研究
中田達也,鹿嶋雅之,佐藤公則,渡邊睦(鹿児島大)
個人の認証を行う際に言葉を発するときの口の形に着目しようという研究でした.
斬新な発想だという以外に,精度もなかなか良いと感じました.しかし,セキュリティに関する問題なので,誤認識は更にシビヤに減らさなければならず実用化を目指すには他のものとの組み合わせが必要だと感じました.
しかし,画像のという分野が幅広い場面で応用が利くということを改めて感じました.

他にも,過去の映像を補完する研究,透明な物体の認識,重力を考慮した物体の認識など発想の多様性に驚き,また刺激を受けました.自分もわかりやすく実用性のあるものを作りこういう場で発表したいと思い研究へのモチベーションを高めることができました.